風を切って息を上げて、心ゆくまで楽しんだら汚れを落として愛車の労をねぎらってあげませんか。
磨き上げられた自転車は、オーナーの愛着が感じられてとても気持ちの良いものです。反対に、いくら高級車に乗っていても薄汚れていたら、この人は自転車が好きではないんだな。と思ってしまいます。
ただ自転車をきれいにするだけじゃぁない。故障、トラブルを防ぎ、安全なサイクリングをするために愛車を長持ちさせるためにメンテナンスは欠かせない。
「メンテの神様」は絶対にえこひいきしません。5万円のクロスバイクだろうが100万円超のロードレーサーだろうが、きちんと手入れをする人だけに味方をしてくれるのです。

<油まみれ編>
一滴ずつ:付け過ぎは最悪>
自転車のメンテと言えば、ほとんどの方がチェンのオイル差しを思い浮かべるでしょう。チェンリンク部とスプロケットの摩擦を減らし駆動系の寿命を延ばし変速性能を保つ大切なメンテですが、意外と本当のことが知られていない。
オイル差しで大事なことは、「付け過ぎないこと」。まぁこのひと言が全てですな。チェンのひと駒ひと駒にごく少量を落としてリンクの内側にオイルが染みこむように付けます。めんどくさい? とんでも無い。ひと駒付けるのに1秒程度。2分あれば終わります。
クランクをぐるぐる回しながらダーッとチェンをぶっかけるようなやり方は最悪。
なぜか、つぅと、オイルが必要なのはリンク部分だけであってプレート部のオイルは無駄。そんだけならいいけど、オイルが埃を吹込んでスラッジとなり逆に駆動部分を痛め変速性能を低下させてしまいます。ついでにあちこちに飛び散ってフレームやホイールが汚れまくってしまいます。
オイルって、付けんで済むもんなら付けない方がいいんです。
ま、チェンがテカり出したりキュルキュルと音が出始めたら「しょーがないから」必要最小限だけ、目一杯ケチって付ける。くらいでちょうど適量です。マメに差す必要は全くありません。バンバン使っても喜ぶのはショップだけ。自転車は喜びません、って。(^_^;)
私、フィニッシュラインのセンチュリー・ルブ赤キャップを使ってますが、5年以上前に買った4オンス瓶をまだ使い切りません。完成車がふた桁あるにも関わらず。そんなもんです。
2010/11/28

拭く2:拭き掃除こそマメに>
オイル差しよりはるかに大切なのが、チェンの拭き掃除です。
上の<付け過ぎは最悪>をお読みになれば理由はだいたいお分かりだろうと思います。いくら必要最小限にオイルを差しても、走っているうちに土埃や排ガスの微粒子などがこびりついて黒く汚れてきます。見た目も悪いし駆動系にもよろしくありません。
チェンが黒ずんできたな、と思ったらマメに拭き取りましょう。プレート部はゴシゴシやってまったく構いません。プレート内側に入った汚れは細く裂いた布を通すときれいになります。
あんまり汚れがひどいようならクリーナー(後述)を布に染みこませてプレート部をゴシゴシやると面白いように落ちます。洗浄剤を入れた容器の中にチェンを通して洗うグッズもあるようですが、マメに拭き掃除をしておけば必要ありませんし、本当にきれいにしようと思ったらあんなもの役に立ちません。
(^^;)どーも、このシリーズ、ショップにケンカ売とんのか? と言われそうだな。
2010/11/28

必需品:脱脂剤は大変便利>
自転車のメンテをするのに、ぜひ持っていてほしいのが油を除去する溶剤です。チェンに限らず汚れたパーツの掃除などにも活躍する優れものです。
ホームセンターなどで「ブレーキクリーナー」「パーツクリーナー」などの名前で売っています。2〜300円程度と安いものなので一本手元に置いておくことをお勧めします。吹き付けるとすぐに揮発してしまう速乾性のものと、乾くまでに時間がかかるベンジンのようなものとあります。どちらでも使い勝手の良いもので構いません。私は速乾性のものが好みですが。
前項で書いたように、チェンを掃除する際、布に染みこませて拭く。スラッジまみれになったリア変速機のプーリーなども、これを吹き付けて拭き取ってやるとウソみたいにきれいになります。
2010/12/11