MASI。数あるイタリアのチクリの中でも知る人ぞ知る老舗です。日本では、なぜか九州は福岡・南米商会が90年代から2000年代半ばまでオーダーを受けていました。発注する数は年間10本前後と決して多くはありませんでしたが、このフレームを何本も見ていると、自転車の奥深さ、面白さを改めて認識させられます。

親父と息子
MASIは1926年、先代ファリエロ・マージ(2000/1没)が創業しました。1949年にミラノの自転車競技場「ピスタ・ビゴレリ」の観客席の下に工房を移します。当代のアルベルトは、2代目。16歳にしてプロチームのメカニックを務めたといいます。2000年現在、58か59歳のはず。
アルベルトには息子がいません。お嬢さんが1人いて、英語を話せるので渉外担当をしてくれているようです。2000年半ばに結婚してかわいい孫が。でも後継ぎがいないので、アルベルトが「や〜めた」と言えば、もう手に入らなくなります。
ビゴレリの工房は2000年頃に火気厳禁になったとのことで、製作は別の場所で行っているとのことですが、はてさて、実際はどうでしょう。アルミは明らかに外注でしたが。
ちなみに先代の手になる「グラン・クリテリウム」が有名ですが、息子アルベルトに工房を譲るとき、「グラン・クリテリウムは息子には造らせない」と言ったらしい。ところが、息子アルベルトのサインが入ったグラン・クリテリウムがあります。
どうやら一時期、製作していたようで日本にも入っています。何のご縁か、そのうちの1台が我が家に鎮座ましましておりますが。
2000/8/15(2011/6/12加筆)

ヘッドマークの変遷
時代ごとにかなり変遷しています。イタリアの工房は、結構ヘッドマークを変える事がありますが、それでもどこかイメージを残すものですが、MASIに関しては…。これに関してはアメリカの超オタクサイトがまとめていますので、ご参照下さい。
 最近、新しいヘッドマークが登場、従来のクラシックなヘッドマークはなくなった、と思っていましたが2001年4月に入荷した4台のうち、2台にこの旧マークが復活していました。新たに造ったにしては残りの2台のが違いますし・・・。理由はよく分かりません。多分、どこかに放っておいたのを見つけて取り付けたのかも…?
まぁね、これに限らずシートステイの処理なんかも同時期に入っていてもたいてい違っていたし、細かいことを気にしないといえば聞こえはよいけれども、ですな。
2001/5(2011/6/12加筆)

MASIの焼き菓子
年の初めに5本のMASIフレームと一緒に、何やら不思議なものが南米商会に届きました。金色の六角形の紙箱で、一個所だけフレームのロゴと同じ書体で「MASI」とあります。
中身は何と、焼き菓子。2か月ぐらい持つものがあるんだそうで。一緒にAlbertの自筆のメッセージカードが入っておりました。イタリア語なので読めませんが、メリークリスマスとハッピーニューイヤー、ということらしい。わざわざこんな箱を造って取引先に菓子を配るとは。やることが洒落てますね。
(^0_0^)
2004/1/16

工房訪問2004
東京在住の南米常連・Yさんが、ミラノショーに合わせてご夫婦でMASI工房を訪問しました。
Yさんは、TIG(もーすぐ希少アルミも)、奥さんはWith_Carbon。ともにMASIのオーナーというご夫婦そろってのファンであります。いろいろなお話をうかがって来られたようですが、それは今度来福された時の楽しみにとっておいて、最新のMASI工房の写真をまずはご覧ください。
P.S.
奥さんのMASI、近いうちにご覧いただきたいと思います。
2004/9/28

MASIオタクHP
Gran Criteriumと3V−Volumetricaを所有する友人が、「MASIばかり集めた面白いホームページがある」と教えてくれました。アメリカに存在するクラシックMASIを集めたホームページで、各部の工作の変遷、ヘッドマークの数々、イタリアンMASIとアメリカンMASIの違い等々、それはそれは見応えのあるホームページです。リンクも充実していて、面白いホームページがずらりと並んでます。
そこを見ていると、ちょっとうれしいことが・・・・ヘ(^o^)/
http://bhovey.com/Masi/index.html
2007/1/16