MASI。数あるイタリアのチクリの中でも知る人ぞ知る老舗です。日本では、なぜか九州は福岡・南米商会が90年代から2000年代半ばまでオーダーを受けていました。発注する数は年間10本前後と決して多くはありませんでしたが、このフレームを何本も見ていると、自転車の奥深さ、面白さを改めて認識させられます。

Tig Integral、3V Volmetoricaと並ぶ'90年代のクロモリラインナップの柱。デダチャイの異形断面(5角形だったかな?)パイプをTIG溶接で組み上げています。トップチューブがシートチューブを突き抜けたようになっていて特徴的なフォルムを作り出しています。
なにぶんごっつくみえるので、細身のクロモリパイプを好む日本人マニア向きではない、との判断から南米商会ではオーダーを受けていませんでした。日本で見ることはなかろう、と思っていたら、中古ですがオークションに出品されているのをある人が見つけ、落札しました。どなたかが直接オーダーされたか、ヨーロッパ(アメリカではイタリア製MASIは売れませんので)でオーダー品を入手されたか、そういう経路で日本にやってきたものではないでしょうか。
560mmサイズでフレーム1.95kg、フォークは日本からオーダーしたTig Integralなどと同じ五角形のものですが、ひと回り太い600gのものが付いています。パイプはEXCEL。EXCELに異型パイプがあるとは知りませんでした。
写真、黄色が落札時、一部にへこみがあったため補修して黒に再塗装しています。
詳細写真