スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

手信号を使おう(超基礎編・4)

気の合った仲間とサイクリングに出かけましょう。貴方が前を走り、仲間が後ろから付いてきます。公道を走りますから、自分がどう動こうとしているか、仲間に理解してもらわないと事故につながります。ぜひ手信号を覚えましょう。
クラブによって細かい動作に若干の違いがあるかも知れませんが、基本はどこも同じです。
(1) 止まれ
交差点、信号が赤の時などに使います。手を下げて、手のひらを後続に見せる。背中に回してグーとパーを交互に作りウインカーのようにチカチカさせる、という人もいます

止まれ

(2) 路面注意!
路面に穴が空いていたり、異物が落ちていたりする際に使います。
穴や異物を発見次第、大きく避けながら左手で路面を指さします。
グルグルと手を回すと、後ろの人が気が付きやすいですね。
(3) 右折と左折
小学生の時に習ったとおり。曲がりたい方向の手を横に挙げて知らせます。これも漫然と上げるだけでなく、指さしたり、手を曲がりたい方に少し動かすなどの工夫をして後続が気が付きやすくしましょう。

路面注意

(1)の「止まれ」と似てますが、本来なら止まらなくていい時、予測できない緊急停止の合図です。車が横から飛び出したとか、前で落車が起きたとか。とにかく何でもいいからブレーキをかけろ! とゆー時ですね。
さらに余裕がない時は大声で「止まれ!」と叫びましょう。
とにかく事故を起こさないことが最優先です。
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この他にも色々ありますよ。

とにかく止まれ!
(5) 大きく右に車線を変えなくてはいけない
停留所に止まっているバスを追い越すような場面ですね。後ろに回した右手を大きく左右に振って、後続に右に移動するよう促します。これをやる時は、右に車が来ていないことを確認してからにしましょう。
(6) 左前方に障害物や挙動不審な車(人物)がいる
左手を後ろに伸ばし、右に振って、後続が左側に寄りすぎないように知らせます。ただし、危険と思ったら速度を落とすのが先決ですが。
(7) 先頭を交代してくれ
右手を下に降ろし、手のひらを前にして前に振り、前に出るよう促します。この合図がある時は、先頭がへばっているか後ろに下がる必要がある時(手鼻をかむとか)です。
レースではありませんから、合図を受けた後続は先頭を代わってあげましょう。ちょっと右に寄って真っ直ぐ追い越します。二番手がスピードを上げるのではなく、先頭が速度を落とし後続に無理がかからないように気を遣って下さい。

以上、長々と書きましたが、これらの手信号は一緒に走っている仲間だけでなく、車に見せることで自転車の挙動を把握してもらうのも大切な役目です。
ですから、どの動作も大きくはっきりと行いましょう。車に知らせる、ということを考えると、(1)の「止まれ」や(4)の「緊急停止」は、できるだけ右手で動作した方が良いですね。まぁ急ブレーキなどとの関係でそうもいかない場面もありますが。
2008/9/23