スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。


スロー・イン(楽しく下ろう編・4)
鏡のようにスムーズで、チリひとつ落ちていない道路なら、下りの危険もかなり減るのでしょうが、残念ながらそーゆー道路はありませんな。前回まで以外で、少しでも危険を減らす手だてを見てみましょう。
何より、オーバースピードが一番危険。コーナーに入る前に十分な減速をしましょう。
ここでいう十分な減速とは、物理的に曲がれる速度、というよりもその人の技量なおかつ、恐怖心を感じずに曲がれる速度まで落とすことを指します。
近年、フレームやホイールの剛性が上がり、タイヤの性能はさらに上がっています。物理的な限界速度というのは、まずホビーレーサーとは無縁の世界。安全かどうかは、その人の技量で決まります。また恐怖心が湧けば、技量など関係なくなります。
「スロー・イン」とセットで「ファスト・アウト」も言われますが、サイクリングの場合、こちらはどーでもよろしい。何人かでサイクリングしていれば、いくらかっ飛ばしても、どーせどっかで待たなくてはならんのですから。
コーナリング中ブレーキ禁止!
関連で、コーナリング中に突然ブレーキをかけるのは厳禁です。姿勢を乱して滑りこける原因となります。コーナー手前の減速がきちんとできていれば、曲がっている最中にブレーキをかけなければならない場面は、突然のトラブル以外にはないはずです。万一に備えてブレーキには手をかけて、当て利き状態にしておきます。怖ければ一定の力で若干強めの当て利きにして速度を調節します。
2008/10/4

貴方をコケさせようとするモロモロ(楽しく下ろう編・5)
たくさんありますねぇ。
コーナー内側にたまった砂、落ち葉、一日中日陰になっているような所にはコケが生えていることがあります。
雨上がりの山中にはあちこちから水が流れ出ています。見た目よりもはるかに怖いのが排水溝にかぶせられた鉄製のふた(グレーチング)。
格子状の隙間にタイヤがはまったとか、グレーチング間の隙間が広くて落ちたとか、濡れでもしていたら大変良く滑りますしね。
こうした障害物を踏まずに通れるラインがあれば、そっちを通りましょう。反対車線に出るわけにはいきませんが。どうしても踏まなければならない場合は、十分に手前で減速しこれらの上ではブレーキをかけず、ハンドルも切らずに真っ直ぐにやり過ごしましょう。肩の力を抜いて。
あと、細い溝が道路を横断していることがあります。体重を乗せたままだとパンクの原因、悪くするとリムにも影響が出るので、お尻をサドルから浮かしてショックを和らげましょう。お尻をサドルから浮かし、両手足を縮めるイメージで自転車を浮かせると、意外に簡単にできますよ。
砂は大敵
2008/10/4