スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

腰骨を立てて背中を伸ばして(ポジション編・7)
ポジション編の最後は、ちょっと難しい話。だけどもこれができたら、もうサイクリング上級者です。(速さじゃないよ)
サドルに座ってハンドルに手を伸ばしますね。その時に「腰骨を立てる」意識をしっかりと持ちましょう。(ついでにヘソ下に力を込めましょう。肩の力が抜けます)
すると写真のように、体幹と腕が作る角度がかなり広角になります。腰骨を立てることで、ポジション編6までで合わせたポジションなら自然とこうなるはずです。
こうすることによって、肩から腕にかけての負担が激減し、自転車を機敏に動かすことができます。ただし、背中を丸めることとは違います。背中を意識して丸めてしまうと呼吸が苦しくなるし、あちこちに無駄な力が入ってしまい本末転倒です。背中は意識せずに伸ばしたままで十分です。
「サドルに尿道付近が当たって痛い」という方をけっこう見かけます。そうした方の大部分は腰骨を立てることができていない。サドルを前下がりにして逃げるのは最悪の方法です。腰骨を立てて座り、それでも苦しいのならサドルを下げましょう。
\(^^\) (/^^)/
ところで、15年ほど前でしょうか。「尿道乗り」なる珍妙なライディング・ポジションが雑誌に紹介され、けっこう信じた人がいたようです。尿道をサドルに押しつけるように体を伸ばして倒し込む。
当時、あるサークルで、腰骨を立てて乗る話をしたら、若い人に、そんなポジションではダメだ、と流行の尿道乗りを得々と説教されたことがありました。何かの競技でそうしたポジションが有利かどうか、浅学にして知りませんが、まぁ本当に信じた人がいた、ということですね。
2008/10/18

ペダリング編を始めるにあたって
自分では気が付いていないか、気にも留めていないか。自転車がフラフラと揺れながら走っている方をけっこう見かけます。
こんな自転車には近付くと危険なので、ベテランは近付きませんし、車からも嫌われます。
原因の大半はペダリング。始めて間もない方にはハードルが高いのも事実ですが、スムーズなペダリングを身につけて、真っ直ぐ走れるようになりたいものです。

引き足・アンクリングは意識しない(ペダリング編・1)
フラフラしながら走るのは、ペダリングがスムーズでない証拠でもあります。真っ直ぐに走る上で欠かせない、スムーズなペダリングを身につけましょう。
第一歩は、雑誌などで「引き足を意識して・・・」などと書いてあるのは頭から捨てること。
引き足なんぞ意識すると、いよいよギッコンバッタンと不細工なペダリングになってしまいます。
また、クランク下死点付近でペダルを後ろに蹴るように足首を動かす「アンクリング」も、同じように意識から取り去りましょう。
これらは単に、スムーズなペダリングができた結果、そうした動きが発生する、というだけのこと。
もっと難しいことをいえば、ビンディングペダルの場合、ペダルと靴がくっついていますから力が無駄なく伝わる。余計な動きをする余裕があるんなら、その分を回転に使えよ、ってことです。
じゃぁ、どうすんだよ。これが一筋縄ではいかんのでありまして、まず「ギッコンバッタンと踏み倒すペダリング」から「くるくる回すペダリング」に意識を変えることが第一歩です。
2008/10/18

1時から6時まで仕事!(ペダリング編・2)
「くるくる回すペダリング」というのは簡単だけどね。なかなかできないんだわこれが。
(^_^;)
クランクを午後2時、どうかすると午後3時ぐらいから、重いギアを力任せに踏み降ろしている人を見かけます。そんなに遅くから仕事したって、仕事量は限られますわな。短時間にあわててやるから出来も良くない、と。
(^_^;)
もちろん午後遅くから自転車に乗るな、って話ではなくて、ペダルへの入力のタイミングをもっと早くすれば、よりスムーズに回転できますよ、と言う話。
クランク上死点を過ぎた直後、午後1時あたりでペダルを蹴り出すように踏み、そのまま下死点近くまで入力します。ここで下死点近くに来た方は放っといて、反対側、上死点に来つつある方のクランクを意識しましょう。難しい?
友人のプロは「チェンを巻き取るように回す」と表現しています。これならイメージできるでしょうか。
左右のクランクを合わせれば、ペダルに入力のない時間はごくごく短時間になります。その分だけ、きれいに回せてパワーも無駄なく伝わる、という次第。これがきちんとできると、平ペダルでも120rpmぐらいは簡単に回るはずです。
ただし、これはあくまでサイクリングの走り方。急激な加速、超ハイスピードを要求される競技では、別のペダリングが必要となるケースが多々あります。悪しからず。
m(_ _)m
2008/10/18