スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。


登りは踏む(ヒルクライム編・4)
平地だろうが登りだろうが、ペダリングの基本は同じですが、ちょっとしたコツがあるのもまた事実。
登りでは平地よりしっかり踏む感覚が必要です。回せ、ったり踏め、ったり忙しいことで申し訳ない。
(^_^;)
あくまで回転が基本ですが、1時ごろ前に蹴り出すように回し始めたクランクが午後2時、3時と進むにつれてしっかりと踏みしめないと重力に逆らうことはできません。ペダリング編でも紹介したように「チェンを巻き取る」イメージを持てば、平地よりトルクが必要なことが理解できるでしょう。
2008/11/24

立ち漕ぎは素直に(ヒルクライム編・5)
勾配がきつくなったり、頂上までもう少し、という時は「立ち漕ぎ」が有効ですね。
それにシッティングと使う筋肉が違いますし、上半身の力を有効に使えますから長い登りの途中に気分を変える役にも立ちます。もっと活用しましょう。
どうしても前のめりになってハンドルにしがみつくようになりがちです。サドルの上に腰を上げできるだけ体重移動は避けましょう。
体を動かすだけ力が逃げますし、後輪にトルクがかかりません。軽いギアに変えずにペダルを踏みおろします。ここでも引き足よりも次に踏みおろす方を大事にします。
体が揺れると力が逃げます。ハンドル左右を上下に振ってリズムを取ります。進路が乱れるほど振っては逆効果ですが。
2008/11/24

重いギアを踏め(ヒルクライム編・6)
初心者に多い勘違いのひとつに、やたら軽いギアを使う、というのがあります。きれいなペダリングでしっかりした回転を身に付けることは基本中の基本です。が、必要以上に軽いギアを踏むのも、これまたよろしくない。
特に登りに苦手意識がある人ほど、早くに軽いギアにしてしまっています。5、6%程度の登りなら足ごたえがあるぐらいのギアでトルクをかけて登った方が速い。
ともあれ、最初はともかくきれいに回すことをマスターしなければいけませんが、ある程度の経験を積んだら、軽いギアを卒業しましょう。でないと自転車は前に進んでくれません。正しくは「きちんと回せる範囲で重いギアを踏む」でしょうか。これは平地でも同じです。
2008/11/24

リズム、リズム、リズム(ヒルクライム編・まとめ)
詰まるところ、登りはリズム、のような気がします。気持ち良く(きついけれど)登れる時は、その人なりに一定のリズムを刻んでいるものです。へたれてくるとリズムがバラバラになってしまう。まぁ平地でもそうなんだけどね。
自転車を換えると登りが楽になった(または登れなくなった)ということがざらにあります。これはリズムが取りやすい、力に合っているということです。パーツのグレードなどを気にする暇があったら、そういう所を楽しんだほうがよろしい。
2008/11/24