スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

ヒルクライム編にあたって
この項、あんましやりたくなかったんだけどね。(^_^;)
何せ、知っている人はご存知のとおり、自慢ではないが登りドン亀であります。(σ- ̄) ・・・・なので、いくら講釈を垂れようが、どうにも説得力があるとは思えない。まぁ成り行き上、書かないわけにはいかないようなので、超初心者向けと割り切ってお付き合いください。

力の把握と思いやり(ヒルクライム編・1)
自転車ほど得手不得手がはっきりと出るスポーツはありません。平地をかっ飛んでいった奴が登りになると見る見る遅れだしたり、登りは抜群に速いのに、ダウンヒルは恐る恐る下っていたり。
だから面白い、と同時に仲間をそれぞれに尊敬できる、ということになります。
もし貴方が仲間内で、登りも平地も下りも敵なしだったら、天狗になる前に少し上のレベルの人たちと走ることをお勧めします。上には上がいくらでもいます。どれかの場面で、遅れる、ということを知れば「思いやり」という言葉が理解できるようになるでしょう。
遅い人は、甘えてはいけませんよね。力が違うことは仕方のないことですから、待ってくれる仲間に感謝しつつ、遅れを取り戻す工夫も必要です。
2008/11/24

自分のペースを守ろう(ヒルクライム編・2)
平地なら、仲間の後ろにぴったり付いて走っていれば、多少の力量差はカバーできます。
登坂はそうもいかない。体重、体型(手足の長さとか)、筋力、年齢そして根性。これらが重なり合って登りに強いか弱いか、はっきりと分かれてしまう。
もちろん練習を重ねるほどに強くはなりますが、いずれにせよ、体重超過、胴長短足、トルクなし、根性はもっとなし、の私メが、手足が長くほっそりとした体型の上に節制を重ね、怪しげな機械を使ってトルク増強に励み、根性は人の3倍ぐらいあるストイックDr.Kに勝てるわけがない。というのが現実なのです。
平地のように、遅い人でもごまかせるということはありません。逆に速い人がゆっくり登るのも結構つらいそうです。だから、割り切って各自のペースで登りましょう。
待ち合わせる場所を決め、速い人が待ち合わせ場所で長く待たずにすむように、坂の距離ときつさを考え合わせて遅い人がひと足先に登り始める、という工夫も必要ですね。
2008/11/24

上半身を使う(ヒルクライム編・3)
とはいえ、ちょっとしたコツを知ることで、その人なりに登りをこなせるようになるものです。そのひとつが「上半身の力を使う」ということ。
「登りが苦手」という女性にお手本。左の写真です。
(1) ポジションを高く遠く。

拙HPのあちこちで何度も出てくる言葉。女性の場合は一般的に手が短いので「高く」に気を配りましょう。
自転車単体で見ると、サドルとハンドルが同じ高さに近い。バーの水平部分を持てば、楽に上半身を使えるようになります。
(2) 上半身で支える
重力に逆らって自転車+貴方(体重)を低いところから高いところに持ち上げるわけですから、それなりのトルクが必要です(後述)。トルクを出すために、上半身でしっかりと自転車を保持する必要があります。
脇を締めひじを軽く曲げます。ひじが伸びていては上半身の力が使えません。力んではいけませんが、上半身の力がバーに伝わっている感覚を持ちましょう。
(3) バーを引く
ここぞ、という時には、水平部分を握り、ペダルを蹴り出すタイミング(後述)でバーを体に引き寄せます。力む必要はありません。二の腕で軽くリズム良く力を入れます。ペダリングにリズムが生まれ、それなりに自転車が前に進むでしょう。
2008/11/24