スポーツとして自転車に乗る人が増えています。
メタボ対策、地球温暖化、原油価格の高騰etc 環境と健康に優しい自転車の良さを知っていただくのは中学生のころからサイクリングに染まっていた間もなく老人としては大変嬉しいことです。
ただ、自転車、特にロードレーサーは一般に考えられているよりはるかに速い乗り物です。公道を走る以上、常に危険と隣り合わせであることを忘れては困ります。信号無視をはじめとする交通ルールを守らない行動は、自分がケガをするだけでなく、人様を傷つけてしまうことになりかねません。車やオートバイなどと一緒に道路を走る交通社会の一員として、上手に走るノウハウを覚え、マナーを守って走ることが、社会の自転車に対する理解につながると信じています。
ここで紹介する事柄は、あくまで公道上で事故を起こさないためのノウハウやマナーです。競技としての走り方と一致するとは限りませんので、その点を十分ご理解下さい。速く走るだけが能じゃない。社会においては「
無事之名馬」なのです。

賠償・すべて自己責任(事故っちまった編・5)
事故処理が終われば、損害賠償のための交渉が待っています。加害者であれ被害者であれ、これは変わりません。
肝に銘じておかなければならないのは、すべてが自分の責任に帰する、ということ。相手方と交渉して、責任割合を合意し、それに応じて弁償をしなければなりません。
警察は民事不介入です。「どっちが第一当事者(つまり責任が重い)」ということは言ってくれても、割合にまでは口を出しません。頼ってもダメです。
もうひとつ。原理原則で言えば、責任がゼロ、つまり相手方が一方的に悪い、と言えるのは、貴方が止まって良い場所に止まっていた場合など、ごく限られたケースしかありません。走っている最中の事故なら、たとえ相手が全面的に悪いように見えても、何がしかの責任を負わされるのです。
こういうことを知れば、損害賠償の保険に入っていなければどうなるか、いやでも分かると思います。
海千山千の保険屋さんを相手に、交渉をして損害賠償に応じなければならないのです。ちゃんとした保険に入っていれば、交渉もプロがやってくれます。
もうひとつ。
壊れた自転車を修理、買いなおすためには被害見積もりが必要です。これも素人では絶対に出来ません。あなたが「このロードレーサーはン十万したんだから金払え」つったって、相手は屁とも思いません。プロショップに持ち込んで、ちゃんとした見積もりを取って初めて交渉のテーブルに着くのです。
ナニが言いたいのか、というと、ちゃんとしたお店で買ってないと困るよってこと。通販で買って困った時だけ店に泣きついても、そりゃ自分勝手でしょ。
何よりそうしたお店は、たくさんの事例を知っています。相手に対してもきちんとした説明をするし、相談事にも乗ってくれるはずです。
何事も、結局自分に跳ね返ってくるのです。
2009/5/14

鏡よ鏡・・・(狭い道を安全に編・1)
涼しくなったので再開。
狭い道には危険がいっぱい。じいちゃんの軽自動車、厨房やねぇちゃんの自転車、何か面白いものを見つけた子供がどこから飛び出すか、怖いね。交通量の多い幹線道路とは違って、こちらが加害者になる危険が大きい、ってことを十分に認識しなければなりません。
というわけで、大いに活用していただきたいのがカーブミラー。
適当に取り付けられているわけではなく、見通しの悪い場所、事故が何度か起きた場所に設置されています。ってことは、カーブミラーがあるような場所ですっ飛ばすなんて、バカのすることですな。狭い路地から出てくる車、ビル陰で遊ぶ子供、等々。カーブミラーは実にたくさんの情報を教えてくれます。下向いて飛ばしてないで、何が映っているか確かめましょう。
ただし鏡なので、左右が逆に映っていることを忘れないでね。意外とあるんだわ、これ。
2009/9/20

真ん中が安全な時もある(狭い道を安全に編・2)
普段、道路の左端を走りますよね。「キープレフト」って教わりましたもんね。
ただし、実際に走ってみると逆にキープレフトが危険なケースも多々あるのです。
典型的なのが民家が道路すぐ脇に接し、中央車線などない細い田舎道。こんな所をキープレフトで走っていたら、子供や自転車が飛び出してきたら避けられません。律儀なだけでは事故は防げないのです。
どうするか。そーゆー道は真ん中を走るのです。
もちろん車が来ているときはそうはいきません。前方と後方に気を配り、車の気配を感じたら速度を落とし(これが大切)、左に寄って車をやり過ごします。こうした田舎道は概して交通量が少ないので、これで十分快適に走れます。
要は、前後左右に絶えず気を配り、万一の場合の逃げ代を作っておく、ということですわ。斜眼帯を付けた馬みたいな走り方をしていると、事故を起こします。
2009/9/20