紙パックの話
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで、紙パック入りの焼酎や日本酒が並んでいる風景はごく当たり前になりました。一升瓶に比べて容積でざっと半分、重量で約4割の節約になるといいます。全国規模で消費されるようになった現代では流通コストが段違いでしょうから、今流行の環境負荷の点でも優等生。遮光性が大変高いので、瓶よりも保存が利きますしね。本当は良いことずくめ。
現在は、焼酎も清酒も生産量の半分は紙パックで出荷されているそうで、一升瓶は4分の1程度にしかならないそうな(残りは小瓶、変形瓶など)。ただ、どうしても安物のイメージがぬぐえないからと、日本酒業界ではブランドイメージ向上のために、一升瓶を見直そうという動きがあるそうですが、環境負荷を考えるとやめといた方がいいと思いますね。焼酎業界はそういう見栄を張らないように、切に希望します。
で、やっと焼酎の話。
「黒」で一世を風靡している宮崎の芋焼酎「霧島」ですが、普通の「霧島」それも20度のヤツが一番うまいと思います。割らずにゆっくりと直燗したら、風味が素直でなかなかのものです。25度では湯割りでないとちょっときついですからね。これならどこでも売っていて安いし冷蔵庫でも保存しやすいし。
どっかの誰か(-.-)みたいに「普段飲みも●●」なんてアホでなければ、お父さんの晩酌にぴったりではないでしょうか。
霧島(20度) 霧島酒造株式会社(宮崎県都城市下川東4丁目28号1番)
2008/6/29

「甘い」ということ
「甘い」と書いて、本当にニュアンスが伝わるのだろうか。
能古見(のごみ)純米吟醸をご紹介しようと書き始めようとした途端、筆が止まってしまいました。
「九州の酒らしく、甘口でリンゴ香芳醇」「甘くて、純米らしくしっかりした飲み口。香りは良いが慣れない人には重たく感じるかも」云々、浅薄な言葉は浮かぶけれども、これで味の想像がつくとはとても思えない。
「甘い」か「辛い」か「酸味」か、と言われれば「甘い」と表現するしかないけど、酒が「甘い」つのは、砂糖水じゃぁあるまいしあのうま味や口に含んだ時に広がる香りなんかがまったく表現できなくて何か違うような気がするとですよ。
じゃぁ何だ! と言われるとオノレのボギャブラリの乏しさを嘆くぐらいしか能がありませぬ。
要するに味をお伝えするには力量不足でありますので、この酒に興味を持った方は飲んでみることをお勧めします。
九州の日本酒もうまいよ、ということを分かっていただければ幸いです。と。「純米吟醸」をお勧めします。
能古見(純米吟醸) 渠n場酒造場(佐賀県鹿島市大字三河内乙1365)

2008/7/1


最近の焼酎ブームの立役者のひとつ。
プレミアム焼酎ブームに関しては生理的な嫌悪感を抱いておりますが、美味しいものを適正な価格で楽しんでいただくことについてはこれほど嬉しいことはない。
ところでプレミアム焼酎ブームの元凶のひとつに、首都圏のエリート、の存在があるような気がしてなりません。あちこちにいるでしょ。官公庁にも一般企業にも。九州なぞ熊襲隼人の地ぐらいにしか思っていないくせに、地位を利用してレアブランド(と称するもの)を簡単に入手して、中枢に帰ってから知った風を吹かせるヤツ。
ヘ(^o^)/
何の話をしとるんだか。(^▽^ケケケ
さて、そこで焼酎の話。
湯割りというのはいくつかの約束事を守らないと、とんでもない味になってしまいます。その点、ロックだと作り方が難しいということもないし、香りは消えてしまうので大変もったいないけれども、慣れない方がそういう飲み方をなさることについて、一概に否定はしません。
もちろん個人的には、普通の焼酎の持ち味を一番楽しめるのは湯割り、と思っていますから、ロックは一刻も早く卒業いただいて「湯割り」に挑戦していただきたい。
で、この銘柄、守備範囲が広い。品のない大酒飲みが、普通の焼酎について「ロックが良いよ」ってのは「湯割りじゃ、いらん」の裏返し、であることが多いのですが、これはそんなことはない。
最初はロックで飲んでいたけれど、試しに湯割りで飲んでみたら美味しい! とひとつの銘柄で道筋をつけることができるのは素晴らしいことですよ。これも蔵元の努力のたまものなのでしょうね。
上はノーマルブランドの「くじら」。左は紫イモを原料にした「綾紫」です。それぞれに持ち味があるので、楽しめます。(綾紫、キープした居酒屋、ほぼ1年ご無沙汰になってしまった・・・まだあるかしらん・・・・(T_T))
年やブランドによってくじらがのデザインが変わるのよね。この辺も、馴染みのない方を引きつける工夫として秀逸、ですよね。
くじらのラベル 大海酒造協業組合(鹿児島県鹿屋市白崎町21番1号)
2008/7/8