割り水に悩む・4
桜島の南の付け根、大隅半島・垂水市、垂水港にほど近い地下800mからわき出る温泉水です。いわく、古代の藍藻「ビフォアクロレラ」の成分や天然ゲルマニウムを豊富に含み、クラスタ(水分子の集合体)が世界でも例のないほど小さいため、まろやか、とか。アトピー改善にも良い(温泉なので効能をうたっても良いのですな)らしい。
クラスタが小さいとおいしい、という俗説を思わず信じてしまいそうなほど、甘くて丸い水です。当然、焼酎の割り水としても適しておるのでしょう。大隅の蔵には、わざわざこの水を使った高級品を発売しているところもあります。
普段飲みにしたいところですが、お値段が・・・・。他の水のン倍ですもんね。
寿鶴 株式会社 垂水温泉鶴田(鹿児島県垂水市本城4044番地4)
2010/1/23

「芋の香りになじめない人でも飲める」というコンセプトで開発された、いわば初心者向けの焼酎。黄麹とベニオトメを原料に、減圧蒸留で芋焼酎独特の癖を細心の注意を払って取り除いています。
芋の油分がたっぷりと残ったような焼酎に染まった身としては、「子供向け(ダメ?)」と思っておったら、いや、なかなかいいではないか。確かに飲み口が軽いんだけど、ほのかな花の香りがして芋の甘味もちゃんとある。
メーカーはロックや水割りを勧めておりますが、いや、これは湯割りが一番、それか生で飲むのがいいですね。正直なところ、ロックでは逆に芋のガサガサが舌に当たります。湯割りの入門編としては最適ではないでしょーか。
ちなみに、これ上の「寿鶴」を使っているそうです。(多分割り水だと思います)
大海酒造協業組合(鹿屋市白崎町21番1号)
2010/1/23

上の「海」と同じ蔵が造っている焼酎ですが、しっかりしたコクと味を持った対照的な酒です。
減圧で雑味を極力取り払った「海」に対して、こちらは常圧蒸留。丹念に味を拾い集めた、という感じがしますな。特に「寿鶴」で和水しておくと、湯割りせんでも大変おいしい。ただどこかに大隅の焼酎らしい軽さが見え隠れはするけれども。
こーゆーのを飲み比べると、近年の醸造技術がいかに進んでいるか、よく分かりますね。辛くも甘くも、軽くも重くも、自由自在。その分、設備投資が必要になりますが。大手がバラエティに富んだいろんな焼酎を出しているのがうなずけます。
地産地消の色合いが強かった焼酎ですが、流通、人的交流が昔とは比べものにならない現代では、田舎の小さな蔵はよほど特色を大事にしないと苦しいだろうな、と想ってしまいます。
常熱蒼々 大海酒造協業組合(鹿屋市白崎町21番1号)
2010/1/31