貴重品。某所で供されたものが、なぜか知人のバッグに忍び込んだようで。おかげで私のようなものも楽しめた、という次第。ナニ、昔から瓶子に足が生えて歩くってのは百鬼夜行や付喪神でおなじみですな。
冗談はさておき、あの「佐藤」の蔵が毎年、ふだんの銘柄と違う仕込みをして限定販売をしたもの。360cc瓶のみで6,000本限定。年によっては3,000本ということも。「貴重品」という理由がご理解いただけるか、と。
1999年から造っていますが、年ごとに麹米やイモを変え、それを新酒を原酒で詰めています。なので年によって味わいが違い、同じものが二度とない、という贅沢な焼酎です。私がいただいたのは2007年もの。地元産ヒノヒカリと黄金千貫で醸造しているようです。
原酒なので38°もありますが、柔らかなしっかりとした甘味を感じ、するりとのどを通ります。アルコールが突き刺さることもなく、実にうまい。この蔵の焼酎、飲むとポン菓子の風味が一瞬顔を出して、個人的には大変好きなんだけど、これは感じませんでしたね。それにしてもおいしゅうございました。
あらあらさけ 佐藤酒造有限会社(鹿児島県霧島市牧園町宿窪田2063 )
2012/3/24

うまい焼酎どころの多い九州ですが、大分県は佐賀、福岡県同様、焼酎よりも日本酒どころというイメージがあったんだけど、これをいただいて以後、認識を改めました。
八幡神社の総元締め、宇佐神宮のお膝元でごく少量造られている麦焼酎の原酒。
酒屋に並んでもすぐに売れてしまうので、地元の人でもなかなか手に入らないとか。福岡ではまず見かけません。
麹も仕込みもハダカムギを使い常圧蒸溜で抽出した焼酎。見事な麦の香りと甘い麦焦がしの味が広がります。
ストレートでもするりと喉を通るので、42°もあるとはとても思えない。良質のモルトウイスキーを飲んでいる感じに似ております。
宇佐市を訪れる機会があったら地元の酒屋を覗いてみて下さい。もしこれが並んでいたら、迷わず買って損はありませんぞ。

兼八 四ッ谷酒造有限会社(大分県宇佐市大字長洲4130)
2012/4/4
P.S.
>福岡ではまず見かけません。
なぞと書いた矢先に、勤め先から5分足らずの焼き肉屋がこれの標準酒を使っているのを発見! いや、知ったかぶりは墓穴を掘りますなぁ。毎度のことではあるけれど。
2012/4/10

宮崎市の西、国富町の大変小さな蔵が造るレアもの焼酎。
アルコールが舌に触る感覚が非常に少なく、飲み口が大変爽やか。薄いのではなくてしっかりとした甘さもあるので、焼酎の入門用(に、してはいいお値段だし、何より手に入りにくいし)にいいかも。もちろんノンべぇも十分に満足できるうまさです。
こうした風味の芋焼酎はめったにない、と思ってラベルを見たら原材料に「米焼酎」とありますね。この蔵は米焼酎も造っているので、これを使っているんですな。単にブレンドしているだけか、それとも何かノウハウがあるのか。ここの標準酒「金の露」も飲んでみたい。
手に入りにくい川越ですが、ANAのファーストクラスに乗れば出してくれるらしい。
田舎者なのでそーゆー機会はありませんが。
川越 川越酒造場(宮崎県東諸県郡国富町大字本庄4415 )
2012/4/7