<プロローグ・あるいは未必の故意>
「どれが似合うね」
いい歳をしたおっさんが二人、30年ほど昔のパーツをためつすがめつ思案投げ首、の体でごじゃります。
久しぶりにポン友(素晴らしいコンディションのマジ・グランクリテリウムとピスタの所有者であります)が朝練に出てきたので、うれしくて。おまけに10年に一度やってくる真面目仕事モードに突入したおかげでなまくらな体が音を上げたか、足の具合も悪い(腱膜炎らしい)、と言い訳して。さっさと二人して朝練を切り上げ、朝っぱらから某南米商会で怪しげなたくらみにふけっておるのであります。
マナ板に乗っているのはカンパ・ヌーボ、ミルレモ(箱はマイヨーですけど)、プジョーシール付き、の各ハブ(どうやらミルレモらしいんですが)。
「丸穴が雰囲気よかろ?可愛かろぅが」
「誰が乗るとね。あぁたやろもん。可愛い、ってどうするね。ものがおフランスやろ。プジョーにしない(しなさい、の意味の方言)」
たわいのない会話の合間に
「どれでもよかばってね、川野さん。こげなことしよったら、もとの自転車の値段の10倍、いくばい」
(^▽^ケケケ
社長が冷水をぶっかけます。
(+_+)
さぁて、南米商会の倉庫からこんなパーツを引っ張り出して、何を遊び始めたか。
生粋のマニアの皆様の逆鱗に触れるのではなかろーか、と一抹の不安を覚えながらも、バカな遊びにはまった中年おやじの右往左往ぶりを包み隠さず白状申し上げ、笑って頂こうという次第。
ただ運悪く10年に一度しか巡ってこない仕事モードに入っております。一気呵成に、というわけには参らず。たまに覗いていただければ望外の喜びであります。
2003/10/22

<発端・そんなつもりではなかったんです信じて下さいお巡りさん>
2003年10月、勤務先が福岡市中央区に建設していた新本社が完成しました。建設、移転に関わっているので自転車通勤をしようか、と思い立ったのがそもそもの発端でありました。(来年春にはどこに飛ばされるかは、わからんのですがね)
新本社は、福岡市の条例に沿って110台も収められる地下駐輪場を造っております。セキュリティも完備しているので路上駐輪で心配しなくても良い。我が家からわずか5km、緑豊かな大濠公園を抜けてのんびりと通勤するのも悪くない。
ただ雨の心配もあるし、やっぱりマッドガードがほしい。ちょうど3、4年前に下のムスメに買ったプジョーがあるので、これを召し上げることにしたのでした。
「メトロ」という名前のスタッガード型フレーム、6段の外装変速機、26インチHEのマウンテンバイクと同じ形式の足回りで¥39,800。芥子色でちょっと小粋な雰囲気があって、値段の割にはいい品物です。放ったらかしてサビサビになっている金属部分さえ手を入れてやれば、なかなかいい通勤プロムナードに変身するだろう。
と、毎度のことで、某南米商会でばらして磨き始めたんですな。
2003/10/27

<暴発・誰だ、こんなところに可燃物を置いたのは!>
いくら通勤用とはいえ、あまりにポジションが違うと疲れます。ロードレーサーと同じじゃぁこれもまずいけど。そもそもがムスメ用だからトップが短い=シートチューブは問題なし(・_・ゞ。
でハンドルバーのサビ落としのついでに、極端に短くてライズの大きいステムを100mmの普通のものに変えたら、これがなかなかいいじゃありませんか。ハンドルバーも結構モノが良くて、金ブラシでゴシゴシする間にもとの光沢を取り戻し、見違えるようになった。ハンドルとステムあたりのバランスは全体の雰囲気に大きな影響がありますよね。
すると、とたんに気になり始めるんですな。これまでどうでも良かったものが。
まず、バーの上の変速レバー。大きくて不格好な固まりがどうにも我慢できない。
外したい→変速は?→フリクションで十分→変速機も替えっちまえ
「しゃちょー。何か変速機ないね。フリクションレバーが【】よか」
たまたま社長の手が空いていたのが運の尽きなのか、ウンが良かったのか。倉庫から出てきた社長の手には、20〜30年ほど前のサンツアー・スキッターが。
「懐かしかろ」
とウンもスンもなく取り付けてしまいました。
量産品のランドナーなんかに使われていてなじみ深いパーツですが、ちょっと見はユーレーの変速機(今、手に入れようったってまず入手困難ですわね)風。ダウンチューブのフリクションレバーも、いいねぇ。似合うじゃない!
・・・・・・・・。
ハンドル周りとリア変速機を取り替えると、さぁ、あちこち気になり始めた。
まずカンチレバーのブレーキが嫌だ。
ゴムの踏み面の安っぽいペダルが嫌だ。
13−28Tなどという今風スプロケット(本人の体力と根性はさておいて)も嫌だ。
不細工な太胴ハブのホイールはもっと嫌だ。
5本アームのMTB風クランクも嫌だ。
「シャチョー。マファックのセンタープルない?」
「リオタードのペダルほしい!」
「13Tから一丁飛びスプロケ探しとって」
「650Aのホイールば造ろぃ! この際、無理難題は言わん。細身のラージハブなら決まると思わんね。フレームは26HE規格だぁ? ナニ無理矢理押し込めば入る」
「しゃちょー。ここまで来たら(どこに行ったってぇ?)変速機もフランスものが余暇。サンプレの安いデルリン製のがあったろうがね。プレステージ! あれ、倉庫で腐ってない? どーせ新品でもろくに変速しよらんやったろが。腐っとっても変わらんが。肉は腐りかけが一番うまいとバイ」
「チェンホイールもやっぱしフランスで行こうぃ。パターンはルネルス、ストロングライト、シクロ、サンプレよりどりみどりやが、フランスものは性能はともかくデザインは最高よね。どれにするか、これからゆっくり考えるから心配せんで余暇」
「でね。クランクはパターン次第やけどさぁ。ストロングライト49、サンプレなんぞなかろうけん、ぎりぎり譲ってTAシクロツーリスト。そいで我慢しちゃぁる」

・・・・・・。
あのねぇ(--;)
さぁてっと。(-。-)y-゚゚゚
何か満たされないものがあるのかも知れんが、わがまま言い放題の報いはどうなることやら。って上の写真をご覧になればあらかた予想は付くと思いますけれど、それはまた今度。
2003/11/12