持ち主に愛され、可愛がられていたバイクも長い年月のうちに壊れ、また、朽ちていきます。なかには良い持ち主に恵まれないままプロショップの隅で眠ったままのバイクもありましょう。
こうしたバイクのフレームが、何本か私のもとで復活の時を待っています。
狭い我が家にそうそうたくさんは置けないとは思いながら、何かの縁があっての邂逅です。ピカピカの新車時代、オーナーに愛されていたころの姿に少しでも戻してあげたい、と思っています。

<便利な真鍮ブラシ>2008/12/30
古い自転車の手入れ必需品のひとつに真鍮ブラシがあります。
錆落しに大変重宝します。ボルト、ナットやストラップの金属部分、メッキがはげてうっすらと錆に覆われたクイックレバーなどなど、これで磨けばかなりの確率で生き返ります。
写真はおなじみカンパのチェンリングを止める5ピン。点々と錆が浮いていましたが真鍮ブラシで磨いた跡にコンパウンドをかけると、ごらんの通り見事に光を取り戻しました。ブラシをかけるときは必ず直線的に一方向に。
メッキがはげたからといって、何でも再メッキ、というのはお金もかかるし、古い自転車の持つ雰囲気を壊す心配もありますから最後の手段です。
なお同じようなものにワイヤブラシがありますが、これは例えばフレームに食い込んだひどい錆を落とす時や塗装をはぐ時などに使い
ます。強すぎてパーツを磨くにはまったく向いていませんので要注意。
真鍮の柔らかさが、ちょうど良いのです。使っているうちにどんどん磨り減ってちびてきますが、このちびた奴がまた使いやすい、という面白い道具です。

<リタッチ>2009/2/7
マスターオリンピックには、あちこちにクラブのマークが入っています。高級車らしくそれぞれに白または黒のペイントをさして雰囲気を出しています。
塗装自体は大変良いコンディションで、丁寧に磨いてやればごらんの通り、艶を取り戻しました。が、クラブのマークのペイントは煤けてしまっています。こういう細部をきれいにしないと、全体がどんよりした雰囲気になってしまいます。
さて、塗料を買ってこなければ、と思っていたらちゃんと社長が手を入れてくれていました。面相筆で、少量の塗料を落とすようにして付けていきます。
ちなみに、小さな壜に入っていて調色もしやすいプラモデル用のアクリルかエナメル塗料がいちばん使い勝手が良いようです。

<再組み立て>2009/2/15
作業を続けていくうちに、このマシン、錆落しと磨きだけで生き返らせることに確信を持ちました。
週末ごとに某ナンベー商会の一角を(勝手に)拝借し、錆落しと磨きに勤しんだおかげで、作業開始からわずか2か月で、再組み立てまでこぎつけました。(間もなく3年を迎えるCHERUBIMに比べ、なんと早いことよ)
ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ
「なぁんか、おーちゃくな店員がおるな」と思ったお客様。すんません。店員ではなくて、金にならんが商売の邪魔だけはする「常連」という人種です。
ごめーわくをおかけしました。m(_ _)m
ところで。冬の間も、自転車通勤やロードレーサー購入のご相談に見える方が引きも切らず、とてもこげな遊びの後始末を社長たちに頼むわけにはいかず。幸い、長期入院中のMASI-3vのホイールがありましたので、ヘッド組み付けだけをお願いし、後は本当に久しぶりに自分で組み立てることにしました。
信頼のおけるお店がすぐ近くにあるのに甘えて、組むのは学生時代以来です。あっちこっちでボロが出そうになって助け舟を出してもらいましたが、まぁ何とか形になりました。
組んでいる時に、痛切に感じたのが「老眼」ですな。とにかく細かいところがほとんど見えていない(見えない、とはちょっと違う)。最初は「心眼でみる」などと軽口も出ていたのが、そのうちに、若い常連を捕まえて「ちょっとやって」だかんね。もーあきまへん。
┐(´∇`)┌
ただ、BB組み立て後、社長にチェックしてもらった時、「これぐらいできれば」と言ってもらえたのは、ちょっと自慢していいかな。
形になったMASTER OLYMPIC、変速、ブレーキの調整、バーテープ巻きなどを終えれば復活です。